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(ときどき)個展deスカイ!

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2007年 06月 10日

小樽ぶらり歩き

小樽ぶらり歩き_f0019379_2032717.jpg今年の6月は暑い。
札幌に生まれた者にとって、6月に入って連日暑い日というのはそう多く経験することではない。
大抵、雨の日が3日くらいごとにやってきて大地を冷やすものだから、札幌祭り(札幌神社の祭り、現在の北海道神宮例大祭)が終わらないと本格的な夏にならなかったような記憶がある。
それも、衣替えの二週間くらいは女学生の白いセーラー服が寒そうで気の毒な日が必ず続いたものだ。

駅に降り立つと薄く潮のにおいがして、ワイキキに居るような錯覚を覚えた。
山から海に向かって吹いていた風が強い日差しを緩和して涼しく、余計そう思ったのかもしれない。北海道の夏はさわやかだ。
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ステーションギャラリーは閉館中だった。やはり駅ホーム内にあるギャラリーというのは無理があるのだろうか。

目的の小樽美術館に向かう途中で都通のギャラリー白方に寄る。都通も20年くらい前のワイキキのはずれのような素朴な佇まいだ。この雰囲気を残してほしいと思う。
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アジア風のキルト系雑貨の展覧会を行っていた。
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窓から都通が見下ろせて何とも異国的な落ち着いたギャラリーだ。いずれここで個展をしてみたいものだと思う。モノクロームが似合う。

小樽美術館は3階で小樽美術協会展
羽山雅愉
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富澤謙
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小川清
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などが並ぶ。みんな元気だ。富澤さんはセントラルで同時期に開かれているグループ環に出している絵の本作(100F)を出している。小川さんも100Fであり、全盛期ほどではないにせよまだまだ衰えてはいない。やはりこの二人は小樽の顔だ。何故かセントラルや札幌市民ギャラリーで見るよりもこの古い美術館で見る方が力がみなぎって見える。
羽山さんは作風が変化したようだがその意図は不明だ。

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日向良子さんの「寂」が良い。

もちろん、2階の森本三郎展は見逃せない。この種の展覧では珍しく大作の中にSMや0号がならぶが、あらためて見ると小品もこの作家の魅力ではずせないだろう。
デッサンも、今回は谷内学園所蔵のものが多いようだが、かつて素描だけの作品集が出ているだけにこの作家を語るうえで無視できない。伊藤正もそうだが、デッサンを独立した作品と見ることが出来る珍しい作家だ。(7月1日まで)
図録は次回展の光子展(7月5日から22日)と合本で980円という破格の値段だ。この値段で分厚い図録を売るのはアイワードのボランティアのようなものだ。普通の感覚ではあり得ない価格設定だ。これまで豪華版画集しか出さなかった同社(共同文化社)の宗旨替えを願いたいものだ。美術書は学生が買えるものでなくては意味がない。だから共同文化社と私は鋭く対立したのだ。

小樽美術館は7月28日から9月17日までの日程で高橋好子/冨澤 謙 展が開かれる。次回図録も1000円以内だろう。

美術館をあとにして、久しぶりに港方面に寄る。「まほろ」の小樽ラーメンという昔風ラーメンを食べて(繰り返すがこの日は非常に暑い)そぞろ歩く。
運河工芸館の展望台に登り写真撮影をしていたら、汗が引いて冷えてきたので、地下のグラススタジオで吹きガラスの作業をしばし鑑賞する。釜の熱で体温が戻った。(筆者は巳年生まれ)

その後駅まで引き返すとカフェ『ろーとれっく』は6月20日でビル解体に伴い現在地を引き払い、藪半のあたりに長崎屋裏の静屋通りに仮店舗を構えるそうだ。しばらくそこに通うことになる。
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ビルが完成するころは私の方の馬力があるかどうか不安だ。

というわけだが、帰宅して不覚にも寝てしまい個展の初日を欠席するという落ちが付いた。
明日は夜、顔を出そうと思う。北都館のサイト

by kotendesky | 2007-06-10 20:48 | ギャラリー放浪記


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