2007年 02月 18日
北海高校美術部の校外展だ。【2月13日から18日まで。スカイホール2室】 先代の顧問は栃内忠男さん、現在は川本ヤスヒロさん。 ノーザンとトップライトの2室を使った大規模な展示だ。25作品が周囲の壁に並べられている。 毎年楽しみにしているが今年も元気いっぱいのどんぐり会だ。 一番奥の壁一面を占めたのは郡真央さんの『GLOW&FLOW』以下4点。作品の出来は抜群に良いが、出来すぎている気もしないではない。作品を仕上げる技術や表現の肝のような所はよく捉えていると思うが、ややもすると表現の枠が出来てしまっていて、自らの可能性をもっと試して見せてもらいたかった。要するに4点の内1点でよいから別の傾向の主題の作品があれば安心するのだ。2,3年後の公募展の上位に入賞する予感がする。 高校生だからといったようなストイックな見方はすべきではないだろうが、『作家の資質は20歳までで一応出揃う』という小川原脩さんの言葉として美術ペン120に吉田豪介さんが紹介している。 筆者もそれには同感で、若い頃の資質はその後の作品傾向をある程度決定づけることから、この年齢の作品がその後の作家の成長を見る上で重要なのだと思う。 その意味で興味深かったのは近藤亮太さんの『セントキャサリンズの朝』だ。 S110号をよく描いたものだと感心する。俯瞰構図も良い。もう少し重厚感を持たせた方が作品はぐっと完成度が高くなるだろ。佳作。シャガール風の空の描写も良い。 佐々木史子さんの『女主』。題名がどきっとするが作品もぐっと来る。50Fだがサイズ以上の迫るものがある。黒いネコの描写も良いし色も全体的に落ち着いて美しい。多分この人の才能は作家として十分やって行けるものだろう。左のブルーはもう少し調子を落としても作品の質感は変わらないし画面全体の調子としては波乱が無くなると思う。 林莉彩さんの『ありがとう』(S110)。納屋の片隅らしき、出荷後の野菜を借りて恵みに感謝している絵だ。遠近はよいが、バックの空間の調子はもう少し落とした方が手前の主題のメッセージが浮かんでくる。左右の原色は不要だ。 ただ、主題のつかみ方や画面構成は非常に良い。1年生だが来年に期待したい。才能のある人だ。 何年か前から気になっていたのだが、作品をベニア板に描いているが、なにか意図があるのだろうか。昔はキャンバスが高かったから生徒の技量を均等に見たいとの意図から安いベニア板に描いたそうだが、現在ではキャンバスは安いのでやはり郡さんや近藤さんのように上手い人の作品はキャンバスで描いた仕上げも含めた状態を観たいと思う。 それとも、S110とか変90というようなあまりなじみのないサイズをあえて使用したいとの意図からなのだろうか。 川本先生、ご賢察をお願いします。 同展の栄通さんの記事 (作品サイズは作品目録に記載のあるままです)
by kotendesky
| 2007-02-18 03:57
| ギャラリー放浪記
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