2013年 05月 08日
月刊『美術の窓』五月号でスペインの写実作家アントニオ・ロペスの特集を組んでいる。 アントニオ・ロペスはスペインの誇る写実作家だ。いま渋谷の東急Bunkamura ザ・ミュージアムで展覧会を行っている。 日本のリアリズム作家の若い世代に影響をを与えて続けているし、ひょっとするとそれより上の世代にも、はっきり言えば野田弘志氏などに影響を与えているのかも知れない。 そして、ロペス氏は、ピカソやアンドリューワイエスやエドワードホッパーからも影響を受けていると話しているとのことだ。 これは肝心なことだが、ロペス氏の若いとき、ピカソは生きており作品も発表し続けていたから、その影響はきわめてストレートにロペスの絵に現れている。おそらく脇目に観ていたのではなく直視していただろうと言われている。 しかし、リアリズムというと何が何でも細密に描くということに長けている絵画という括りをされがちだが、現実にはそれは主義であり、考え方の問題なのだ。 「私には正確さは大事な要素だ、しかし細部についてはそれほどではない」とか「どんなに技術的な能力があったとしても、最も重要なのは作品に含まれているものなんだ」とロペスはいう。 いわゆる写実というと何だか技術的な写生というようなものととらえられがちだ。そうではなく、絵画の表現における写実的アプローチを考え、それを試行し続ける作家になることが重要だと思う。私の場合それが写実であり空想の象限空間である必要があるのだ。
by kotendesky
| 2013-05-08 22:30
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