2008年 07月 15日
ドライブラッシュの重要性を認識している。 たとえばアンドリューワイエスがドライブラッシュの技法を獲得した時期と テンペラを知った時期は画面の充実度がすごく高まった。 とくに、水彩では表現しきれなかった紙の上でのごつごつとした堅牢感や 壁や草原の質感はドライブラッシュでかなりスピーディーにかつ精密になっている。 そして、ワイエスの最終到達点のテンペラは画材を制御する感覚を彼にもたらした。 才能があふれていたワイエスはしばしば水彩の描きすぎというジレンマを 抱えていたようである。それがドライブラッシュの技法とテンペラの画材のもたらした 適度な制御が、精緻で抑制的な表現とうまく響き合って多くの重厚な作品を 成立させたのではないかと思う。 画集と図録を短期間に3冊入手しむさぼり読んだが、その感覚はますます確信となった。 転じて、自作の絵のことになって恐縮だが、油彩でドライブラッシュを用いて下書きをすると、 実に制御がうまくできることにおどろく。 私の油彩の場合は刷毛の絵の具分を別の筆でパレットに絞り落とし、 のこったかすれ状のブラッシュで描いて行く。筆跡が荒れてきたところは 適量のオイルを含ませて表面をならす。 ドライブラッシュといっても油彩の粘性は高いので、布団たたきのように ぽんぽんと画面を叩いて表現する。 今回の作品は近景と中景にこの布団たたき描法を多く使っている。
by kotendesky
| 2008-07-15 01:34
| (七転八倒)制作記!
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