(ときどき)個展deスカイ!

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2006年 02月 15日

ガランとしたアトリエ…

作品が額装されてアトリエから下の居間に運び出されています。

印刷所では大抵の場合、編集を2階で行い版下を1階にある工場に降ろします。これを「下阪」(げはん)と称しています。
印刷機は重くて振動も大きいので、多くの印刷所では1階に設置しています。その脇には暗室があり版下を撮影する巨大なカメラがあります。中小の出版社では4ページあるいは8ページを割り付けして版下を作りそれを下阪してフィルムを撮影し刷版に焼き付けます。そして印刷…
この一連の工程がスリルと緊張に包まれて、雑誌を作るというエネルギーになるのかも知れません。

しかし、作家はひとりで黙々と絵を描きます。油彩はスケッチに始まり下絵を描いてキャンバスを張り絵の具で下塗りしマチエールを作ります。その上にようやく本番の絵の具で描きます。
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         紋別の流氷 (F15)


絵を描くと言うことは孤独な作業です。画面を通して私のモチーフである自然と対話することで実景とは違った、それを超えたいという願望も現れます。
実景を超えると言うことは、それと対峙した自分を少し超えると言うことでもあります。浅学な私はなかなか実景を超えるということは叶いませんが自然を少し理解出来たような、あるいは一体になれた気がするときもあります。
そうしたときにはやはり自然が描かせてくれるような気がしています。

風景画というジャンルは、おそらく自然の力に抱かれてその手の上で動き回っているようなものなのでしょう。

かつて、山登りに熱中していた頃はとにかく山頂に立ちたいという熱にうなされていました。しかしある年の11月の雪深い大雪山黒岳山頂で急に予想外の低温に遭遇したとき、これは山が教えてくれた自然の脅威だった気がします。
「恐れを識れ」という警告を私に与えてくれたのでしょう。無茶な登山を慎むきっかけになったことと、どんな場合でも身の程をわきまえるという大切さを教えられたような気がします。

絵が運び出されて、アトリエがガランとなりました。イーゼルに大きなキャンバスがかかることは個展が終わるまではなさそうです。
赤帽さんとも打ち合わせ、来週からはそろそろ荷造りも始めます。搬入の前にアトリエを大掃除したいと思います。
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by kotendesky | 2006-02-15 22:11 | 冗舌亭日乗


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