(ときどき)個展deスカイ!

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2007年 03月 04日

第22回 北の日本画展(1)

3月3日で終了(札幌時計台ギャラりー)
第22回の北の日本画展は、ほぼ一年のうちに3回開催したことになる。
第20回の記念展は06年3月17日から26日に近代美術館を借り切って盛大に行い、すぐに5月16日から21日の会期でセントラルスカイホールで21回展を開催した。
そして今回の22回展が2月26日から3月3日の期間に矢継ぎ早の開催である。

作家は日常的に絵を描いているとは言っても、この団体展と所属の公募展、全国展や個展さらにグループ展などのためにそれなりの水準の作品を用意するというのは大変なことだ。そのエネルギーに驚くというのが正直なところだが、その場しのぎでない本格的な作品を出してくるのはさすがという他は無い。
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今回の日本画展は企画展示が導入されA,B室を使って19作家が『北の息吹』と冠した展示を行っている。
その模様は(2)に書くとして、本展はCからFまでの4室を使用して展示されている。
上の写真はC室の向かって右から千葉晃世(こうせい)さん『雪』。
私は千葉晃世さんの墨以外の色をはっきり用いた画面を初めて観たと思う。
真ん中が小島和夫さんの『バラ窓』。
ノートルダムドパリではないと思うが、豪華なステンドグラスが印象的である。人物はアラブ的であるところを考えるとイスタンブールなどにこのようなステンドグラスの建物があるのか。左は小島さんの『川辺の家(烏鎮)』。

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上はE室の福井美奈子さんの『ぬくぬく』。ネコが二匹蜜柑を前に座っている。のどかな冬の室内だ。背景は中野邦昭さんのような揉み皺をつけた丁寧な設えである。
動物の描写も良いが、背景をうまく処理して画面全体の調子をまとめている。絵というのは部分部分の技術も大事だが、全体を通してひとつの作品なのであって背後空間と主題との一体感の醸成という点もぬかりなく描ききりたいものだ。

C室では北口さつきさんの裸婦の2点はデッサン会の成果だと思うが、冒険的に見えた。
さて、最も書きたかったのは吉川聡子さんの『抱(イダク)』である。
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C室の一番奥まった所にある。
今より少し若い頃の彼女自身が投影されたと思われる人物が抱いているのは栄通さんのブログ『栄通記』の記事の時から実作品が気になっていたが、仔細に見て私なりに解釈したのは、自己そのものを統一するために外界から一線を画して自己のアイデンティティーそのものを失わないという決意のような気がした。
それにしては薄紙を貼ったような柔らかな球状の膜に覆われた猛禽類の不確かな生物なのは意外である。
柔らかな膜のようなものは部分的に不透明で彼女の左腕によって鋭いくちばしは隠されている。わずかに右に鳥の鋭い爪が見えるが、それらもまた不確かに隠蔽しつつある。
向かって右の空からは彼女に影響するカモメのような一団が近づいてくるが、その意味は謎だ。
決して強くはないが、彼女の守りたい意志を感じて、いろいろ考えさせられる魅力ある惹きつけられる作品である。
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by kotendesky | 2007-03-04 03:15 | ギャラリー放浪記


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