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(ときどき)個展deスカイ!

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2007年 01月 23日

第178回伊藤太郎水彩画展

1月23日から28日まで、さいとうギャラリーA、B

今回で実に178回目という水彩画個展。
40年に姫路市生まれ。72年に北大院卒。77年理学博士。78年から毎年パリ大学客員教授。

この略歴で想像がつくように伊藤さんは理工学の教員の傍ら長く情熱的に滞在先で水彩スケッチを物した。
会場には独特のタッチの水彩画が44点と10数点の小品が展示されている。
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ベレーの伊藤さん。フランス語、イタリア語、スペイン語、ドイツ語そしてクロアチア語他が堪能で特にフランス語は寝言に出るというほどだそうだ。もちろん英語は必須。
学者は外国語で発想する方が自然だ。
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マイセンの赤い屋根。
磁器で有名なマイセンの町並みだ。この作家としてはめずらしく色を重ねて重たく仕上げている。

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カラッシオの古城。
半分朽ちかけた石の外壁を緑の中に穏やかな目線で描いている。
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ブレーメンの昔の小路。
ブレーメンは今回の個展では数多く描いているが、これは古く狭い路地深くに陽が差した光景だ。
多分、一瞬か非常に短い時間陽が当たった所を描いたものようだ。
筆は、粗密強弱のリズムが良く明暗は穏やかだが適切だ。
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画家の道具。
独自に製作したという竹ペンの製作工程。これは奥から特別に出して説明をしてくれた。左から3番目の穴をうがつことで溝を切る時の割れを防ぐ。
特にペン先の長さと幅と切り口の摺り合わせが命だという。出来たペンは麻糸で結んでテーパー部分で線幅を調整する。
「つけペンの長さは3,4センチ、幅は2ミリがベスト」と数字で説明される。
このペンがあるからアルシュ紙(厚手)の紙目に負けずにスミの「かすれた線」が引けるのだそうだ。写真には写っていないがスケッチの際は0.4ミリほどの水性ローリングペン(製図用か?)を使用。
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切り口の合わせが伊藤式竹ペンの命。
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そしてスケッチの際の道具。ニュートンのミニチュアセットとフィルムケースの水入れ、筆は二本だ。
それらを背広の内ポケットからひょいと出すところが洒落ている。
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実は、ご自宅のすぐ近くに筆者の住まいがあるのだが、まだ訪問がかなっていない。

by kotendesky | 2007-01-23 16:52 | ギャラリー放浪記


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