(ときどき)個展deスカイ!

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2010年 12月 20日

この時期あれこれ

この時期は暦のすぎるのが早い。

ことしも余すところ十日あまり。すでに病院では2011年の予約やら入院や手術の話が
聞こえている。
すでに11月には年末年始の当番体制も出来た。

この時期に毎年思い出すのは、インクジェットプリンターの買い換えだ。

今使っているのはエプソンのPM3500CというA3ノビ用紙が使えるタイプだ。
A3ノビというのは紙の大きさを言い、A4の倍板でなおかつ1割くらい大きなサイズを
言う。
この用紙だと印刷して周囲を裁ち落としても、A3キッカリのデザインが出来るので
多少なりとも商売の経験のあるデザイナーはプロ用を買う。それより大きなサイズは価格が高いので
個人ではなかなか買えない。
今から10年前だとPM3500Cは割り引いても10万円くらいした。

案外知られていないが、普及機であるA4用紙タイプとA3ノビタイプでは
耐久性や、精密さは格段に違う。
A3ノビタイプだと極端に言えば一度印刷した用紙に同じ印刷を繰り返してもほとんど
寸分違わない印刷が出来る。調整次第だがズレはおそらく0.05ミリより小さい。
テレビで細かい数字やインクタンクの多さなど派手な普及機のコマーシャルが
多いが、プロというのはコマーシャルでは絶対といって良いほど動かない。
見本市で実際の印刷を目の当たりにして製品の善し悪しを見抜く。
今はインクジェットプリンターの位置ズレは普及機でも格段に正確になったが、
耐久性の面では10年使えるプリンターかどうかという問題もある。

現実に印刷やデザインの結果は数字(digit)ではないのだ。あくまでも量(mass)の世界だ。
バラツキの少なさ、ヤレ紙の少なさ、インク補充の回数の少なさ、コストの低さ、
一番大事なのは仕上がりの雰囲気であると思う。
肉厚にも肉薄にもどちらの再現も出来ることがプリンターの条件である。
クライアントに提示するときにもっとも目を引きつけるのは自分のデザインの
雰囲気である。顧客の興味を引きつけられるかどうかが問題だ。

印刷ではインク層は格段に薄い。それを見越したデザインを行うがドットのズレはこういうときに
微妙に響いてくる。CMYK4色の微妙なズレがあると印刷面はきたない。プロ用機器ではこういう調整が
出来るようになっているのだ。そして一番大事なのは調整の結果が実際の仕上がりに反映するという
ことである。
同じ調整が出来ても実際の仕上がりに普及機では反映できないことを多く経験する。

デザインを行っている人は昨今ではアマチュアにも多いと思う。アイディアのひらめきはプロより
当を得ている場合も多く経験する。しかし一定した力を発揮することや調整の結果を
微妙に表現できるかという点になると、プロとして食えるかどうかが分かれる。
顧客のニーズを的確に表す言葉は難しいが顧客の気分を表現できるデリカシーのあるデザイナーが
長続きできる要素のような気がする。

関係ない話かもしれないが、道展の展示作業でのひとこま。市民ギャラリーの壁に絵を展示するとき、
あの会場はチェーンで吊り下げるルーブル美術館方式だが、水平をとるとき10メートルも20メートルも
離れて見て右のチェーン一個下げて、上げてというふうになる。微妙な傾きが気になるのだ。
ついには「2分の一」というとどっと笑いが起きる。それぞれが絵描きの修練を相当積んだ猛者ばかりだから
その笑いが表すプロ意識というものに感心する。
市民ギャラリーのチェーン一個の半分は5ミリくらいだ。その水平の違いのさらに半分以下のところで
道展作家は絵を描いているのだ。
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by kotendesky | 2010-12-20 22:51 | 冗舌亭日乗


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