2010年 04月 13日
4月9日午後10時すぎに急変し、自宅で静かな最期を迎えたようだ。 12日昼過ぎ葬儀。 そして様々な記事が新聞などに掲載されているが、 井上氏の「41番の少年」という作品が、氏を語る上で重要な 作品なのであるが、なぜか皆さんふれておられない。 この作品は氏の中学生から学生期の自伝的小説であり、41番の少年というのは 児童養護施設での洗濯札の番号である。 洗濯札が氏の人格であり生活を規定しているというバックボーンの上に描かれた 井上ひさしさんが作家として世に出る前の青春記として避けて通れないはずだが 井上氏自身が避けてきたものなのか、評論人各氏が奇妙に取り上げていないことに 少し違和感を感じる。 社会への多少の諦念と批評精神もしくは中央文化が善で地方土着文化が過小評価されゆくものという 昨今の風潮に20年も30年も前から警鐘を鳴らしていた。 その思潮の根底にこの作品が位置していたと私は思っている。
by kotendesky
| 2010-04-13 00:29
| 冗舌亭日乗
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