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2009年 01月 17日

アンドリュー・ワイエスさんが亡くなった

昨年の東京での個展で91歳の元気なヴィデオを見て
ああ、同時代に生きている画家なんだと感無量の
心持ちでおりましたが、16日冬の住居のある
ペンシルベニア州フィラデルフィア市近郊のチャヅフォード(Chadds ford)で
就寝中に死去されたと報じられました。
同地に生まれ生涯を同じ場所で過ごしました。

私は昨日は、夜遅くまで石狩の冬の丘陵を描いていましたが
ワイエスに触発された渇筆(ドライブラッシュ)の感覚が
何となく分かったような気がしておりました。
ワイエスの画調をひと言で言うのは無理がありますが
画面から東洋的な精神性を感じるときがあります。
彼がドイツの気質を残したスイス人の父に影響され
幼くして父親から英才教育を受けたことからもたらされた
質実であり剛健な精神から来るものであると思います。
そしてそれは、日本人が持ってきた質素で勤倹な民族性と
底通するものだと確信します。

時には、抑えた感情から伝わってくる画面の呼吸のようなものが
色調や、細密でいて象徴的あるいは様式的である筆致から
水墨画や日本画のような情感に思えることがあります。

私の住む北国の厳しい冬とその季節に向かう
感情が同じように北を愛し生涯を過ごしたワイエスの
気持ちと何処かで響き合うものを感じるときがあります。

私は、若き日にメイン州を抜けてマサチューセッツ州の東の果てである
ケープコッドというところまで旅行したことがありました。
そこは、大西洋に突き出た半島なのですが、涼しく手の加えられていない
自然が豊富な場所です。
アメリカと言っても独立13州とニューヨークやワシントンあるいは西の
ロスアンジェルスとは考え方も人間味も随分と違います。
ワイエスは、国内を旅することはありましたが、生涯をペンシルベニアとメイン州
の決まった家で過ごしたことからも、時代に左右されずに自分にとって
美しいものを追求した作家なのだと思います。

ワシントンポストweb版の写真

brandywine river museum
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by kotendesky | 2009-01-17 17:35 | 最新情報


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